弘前のまちなか建物ウォッチング


青森銀行記念館の窓辺

ここは天然の明治村?

[2019年4月]繁華街のアチコチに古い建物やこだわりの名建築が君臨しててね、天然の明治村みたいで楽しかった!この事を住民はどんな風に受け止めているのかな?と思ったものでした。

豊橋の駅前を元気にする趣旨のボランティアを10年以上やっててさ、チョイチョイ視察隊が来たりするんですよ。そしてそして、都会からいらっしゃってるアドバイザーさんは全国レベルの強者さんなのよね。だって全国津々浦々の都市が「街を元気に!」に取り組んでいるじゃん。だから知名度のあるアドバイザーさんは引っ張りダコと云える。

住民の大勢さんが車で移動する時代なんだから駅を中心とした街の再復興なんてあり得ないよ。少子高齢化も加速しっぱなしだしさ。だけどまぁ、気づかないフリして行政からお金を引き出そうとする企みは絶えないんだな。あの手この手で「何とかしなくっちゃ対策」は続くのだわね、多分。いつか実のあるセッションが勃発するかもしれん。そうなると良いケドね。

それはともかく、チャンスが有ったら地元の事だけじゃなくて特徴的な都市のことを根掘り葉掘り聞いてみると面白そうだと気づく。意外な名物が君臨してたりするかもだ。補助金がらみのディープな置き土産がザクザクとかさ。

ホテルの近くに紀伊國屋書店があるじゃん弘前ってスゴイ!と思ったら5月6日で閉店との張り紙が。書店の閉店はどこで遭遇しても泣ける。「ガイドひろさき」税別350円をお餞別として購入する。でもね、後日路線バスに乗っててジュンク堂の看板を見たのだった。この街には、紀伊國屋とジュンク堂が共存してたんですね。凄い街だ。おみそれしました。

趣のある建物

弘前城の桜のオッカケで時間と体力を使い果たしてしまったので、気ままに歩き回れなかったのが残念無念。初日にガイドブック「趣のある建物」を見ながら遭遇した店舗と、路線バスで通過ししゅわっちと活写した時計店。昭和な建物が頑張って残ってますねって感じなんでしょうか。時間があればスタンプラリーのように潰してっても楽しいかも。街中に点在してるのも味わいなので、時間をかけてのんびり勝負しないとね、ですかね。


旧オーテ万年筆(豊橋市広小路三丁目)

ちょっと寄り道
そうじゃん!わが街、豊橋には「オーテ万年筆」というか「ペンショップオーテ」というか、お屋根の上に巨大な万年筆のペンが乗っかってる筆記具の専門店が有ったのだ。と書いててまだ残ってたかも・・・。

画像一発の方が早いぜっと思い立ち、撮りに行ってきた。徒歩5分かな。バシャ!どうだい(笑)。でもさ、銀色のペン先に黒色のボディと地味目でモノクロな外観になっちゃってますね。

全盛期は金色(黄色)のペン先に赤色のボディで、それはそれはインパクト大でございました。ずばり広小路商店街の名物だったからね。そう昭和な歴史の証人としてバシッと言い切れる。

残念ながらこの場所ではもう営業していません。でも旧東海道沿線の呉服町にショップは健在なんですよ(こちらはペン先のお屋根ではない)。確か全盛期から2店舗営業だったかと。ともかく特徴的な建物だったら豊橋には「コレ」が有る。凄いでしょ!ハイカラでしょ!と言いたかったのだ。そうきたね、これはどうだい?と後出しジャンケンするような親近感をバリバリ感じたとも云う。

建築家・前川國男氏のお仕事

前川國男氏はコルビュジエの元で学んだそうなので、シンプル系だよね。でもさ、弘前市立病院と博物館はガイドブックに載ってなかったら素通りしてたかもだ。だって良くあるようなタイプじゃん。これが全国津々浦々の公共建築のお手本になってるのかもしれんけどさ。ほほほっ、門外漢だからトンチンカンもご愛敬。

しかし弘前市民会館はインパクト有ったなぁ。素敵な存在感で惚れ惚れでございました。コンクリート打ちっぱなしスタイルでも「これは特別」とズキン!!!このままずっしりと生き残りそうな感じ。二階には「喫茶室baton」というそれ風の施設があり、ゆっくりとこの空間が楽しめてグーでした。パスタを食したんだけど、写真は撮り忘れたみたいである。なんでだ?

藤田記念庭園

小部屋でフルートのミニコンサートをやってたので、ホール内をジロジロ見学するのは自粛したのだった。

「街中にこんな施設が有ったらいいな!」をまるっと実現してるような施設だったよ。

 [1]弘前城に近い。(有名観光地のついでに行けてお得)
 [2]敷地が広くて、桜、梅、紅葉などが楽しめそう。(季節感は重要。年に何度も!)
 [3]和風庭園と茶室、和風の建物が有り、洋館もある。(広い年齢層にアピール)
 [4]洋館には喫茶室「大正浪漫喫茶室」がある。(建物内部も珈琲やスイーツも楽しめる)

パンフを見ると貸会議室や「クラフト&和カフェ」なんてのも載ってる。なんか凄い。欠点がないがね。やっぱ、行政の力を借りなくてもちゃんと維持管理出来てそうな仕掛けは重要だと思うのよね。桜の季節に行ったからなのかもしれないけど、めっきりな繁盛ぶりだったから特にインパクト有ったなぁ。この地だからこそのおもてなしが、しっかりアピールされているんじゃないでしょうか。オススメ!つって、地元の人はどんな風に感じているのかなぁチャンスがあれば聞いてみたいものだわん。

ミニチュア建造物

弘前城のお近くに魅力的な洋館がいっぱい有ったのよ。アレもコレも状態でめくるめく感じだったなぁ。さらに、「旧弘前市立図書館」と「旧東奥義塾外人教師館」に挟まれるようにミニチュアの建物群が鎮座してるじゃん。とても精巧に出来てて可愛いのよ。ぱこっとお屋根を取ればドールハウスになってるに違いないって感じ(それはないだろうが)。なんなんだコレは!しかも、こんな風に雨風にさらしちゃってて良いんでしょうか?(冬期は雪囲設置となってるな)不思議な光景すぎ。まぁインスタ映えはするよね、多分。

棟梁・堀江佐吉氏のお仕事

堀江佐吉氏は津軽藩お抱えの大工さん家の五代目さんで、高齢になってから洋風建築の基礎を学んだそう。「旧弘前市立図書館」はコンパクトな洋館でね、そのまんま自習室とかに利用すればいいのにと思うような素晴らしい空間だった。ほらね。家具類も上質なのよ、ゴックン!ともかく気軽に見学出来るようになってて有り難い。

「旧東奥義塾外人教師館」は生活感のある部屋が多くてとても面白かった。ここに住んでいたのは異国の人なんだなという手触りが残っている感じ。カレル・ライス監督の映画「フランス軍中尉の女」の後半でとても素敵な部屋が出てくるのよ。私にとってはまるっと理想の部屋なんだよね。ロケーションは似てはいないんだけど一部の雰囲気がニアーだった。改めてその部屋への憧憬の念が募りましたとさ。

フランス軍中尉の女:若きメリル・ストリープとジェレミー・アイアンズ共演の映画(1982年)。原作はジョン・ファウルズなんだけど、劇作家でもあるハロルド・ピンターの脚色が注目された。意外性たっぷり。日本では夏樹静子原作の「Wの悲劇」に於ける荒井晴彦の脚本が注目されたようなタイプ。早い話が劇中劇モノなのだった。

この建物の1階は「サロン・ド・カフェ・アンジュ」。座って珈琲がいただけて天井や窓も眺め放題で良い気分でした。窓の外はミニチュア建造物が見えるのだ。見学してる人も眺められて楽しい。スイーツとカフェ、そしてお箸で食べるフランス御膳もあるそうだよ。

藤田記念庭園「大正浪漫喫茶室」と「サロン・ド・カフェ・アンジュ」のスイーツの感想はここに。

青森銀行記念館

折角なのでミニチュアと本物を並べてみました。凄いよね。ホント、こういうのを作らせたら日本人はトコトンやるよね。旅館みたいなお屋根もバッチリ乗っかってます。展望台を兼ねた塔屋だそう。

さて、写真では解らないと思うけど、実際には入り口の石段が急で、しかもステップの部分がなくて重めのドア。つんのめりそうなのよ。こわっ!っとびびりましたね。バリアフリーの対極。まぁ当時の銀行は敷居が高くても良かったのかもしれん。そうでもないかもしれん。ドアは開けっぱなしだったのかもしれん。そうでもないかもしれん。

ともかく記念館としてこんなにキッチリとお仕事してる財団があるんだなぁと感激してしまいました。まだ経験値が低めなので行く度にドラマに遭遇してるだけだよ。てなモンなのかもなんだけどね。

階段部分がね、めっちゃしっかり補修されてたの。写真でも頑丈そうなのが解るでしょ。記念館イコール階段が怖い・・・。これが今までの記念館詣での体感でさぁ、見学者が居ればまだしも、ひっそりしてる記念館で階段がギシギシしてるとビビるよ。抜けてしまったらどないしようと思っちゃうモン。

先ほどの支配人タイプさんが「お二階も是非どうぞ」なんて案内してくれたので、すかさず「この階段はしっかり補修されてて凄いね」と誉めまくる。ただの補修じゃなくて材質を含めてとても手がかかっている丁寧な復元ぶりだなと感じられたのよ。素人の私でもね。そうしたら全体を2〜3年かけて復元工事をしたんだとか。自慢っぽかったよ。なるほどなるほど、気合い充分だったんだのう。ささやかながら感動をちゃんと伝えられてなんか嬉しかった!これからも手間暇を惜しまずに維持管理していただきたいものです。

※さらなる過去記事
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