盛り盛りな秋の奈良・前編


飛鳥時代の軒平瓦が現役で使われている禅室と極楽堂のお屋根。

秋といえば正倉院展じゃん!おお、ぎりぎりセーフくらいのタイミングで気付いたよ。ほっ。基本的に同じような事を繰り返して楽しむのが好きなんですの。昨年、初めてトライして気に入ったので、今年も正倉院展狙いでお出かけしました。多分、来年や再来年もお出かけだな。厭きるまで続けてみよっと。お気楽極楽。

正倉院展は奈良の秋の風物詩なんだと思う(今年が70回目の開催)。そりゃぁもう、この時期にめっきり増量する観光客を意識して、奈良じゅうがイロイロ全開で楽しませてくれてるよ。違うかな?まぁ私にはそんな風に思えるね。

だって、行き当たりバッタリ派の私でも、この時期にしか体験できない事柄に簡単に遭遇してしまうんだもん。お得感満載。

元興寺の屋根裏探検

まずは、関西在住の妹情報。元興寺で屋根裏探検をやってると聞いてやって来ました(10月13日(土)〜11月11日(日))。創建1300年の古刹なんだけど、学生さんとの連携なども有り、やる気満々。ほらね、イマドキ感アリアリでしょ。アカデミックな視点じゃなくても気軽に参加できそうでベリグー。

こうしたイベントって前もって申し込むとか、土日は混み混みでも平日は閑散としてたりとか、計画性のある人向きなんだよね。めっちゃ行きたい場合は、それも有りだと思うけどね。無理なく見られるなら拝見させていただこう程度の場合は、なかなか吸収していただけない。ハテ、どんなもんじゃろ?

到着した時間帯の回は、満員だった。あらまぁ。でもね、30分待てばOKだったんだわ。すでに数人が受付を済ませて待機中だった。さすが正倉院展会期中。平日でも街中が賑わってたし、お寺も奈良公園も賑わってて無計画な観光客でも浮かないな。深閑としてておひとりさまで探検のハメになるのもちょっとねぇ・・・だしょ。つまり、私には、うってつけの塩梅でした。

元興寺にはずっと前に来た事有りだったので、境内はさっくり散策し、名物のお屋根をパチリ。飛鳥時代の軒平瓦と新しめの瓦が並んでて壮観。そうだよ、ここの屋根裏が探検できるなんて良い体験じゃん。つーか、これは刺激的!

以前、大徳寺の黄梅院でね、修理中の状態を拝見させていただいた事が有ったのよ。こんな風にするんだなぁとイロイロ面白くて気に入ってしまったのだ。特に学術的な説明がグーだったと記憶。でもね、撮影は全面的に禁止だった。

元興寺はドンドン撮影してください!なんですの。フラッシュもOK。インスタでアピールして欲しい、ツイッターで拡散しよう!って事だな。情報は共有してこそ活性化するという昨今の流れですかね。この屋根裏探検は、2010年にも実施してるのだそうで、これから何かの修理をする前段階を見せていただけると思い込んでたんだけど、違うじゃん。

禅室は鎌倉時代の建築なんだけど、飛鳥時代からの屋根瓦や木材などを使い続けているのが特徴で、屋根裏からなら構造や部材も間近で見られるんで探検しようという「世界遺産・元興寺・国宝禅室・屋根裏探検」の体験イベントだったのである。ヘルメットと懐中電灯が支給されて、ガイドさん付きで1,000円也。イザ1300年前の歴史空間へ。いえ〜い!

その前に、この禅室そのものにも興味津々(前回は拝見出来なかった)。柱も天井もしっかり撮影させていただく。

古材の展示を見ていたらガイドさんらしい人が「この柱には樹皮が残っていたので年代が特定出来たんだよ、ここを撮るといいよ」と指さしで説明してくれた。ほほ〜そんなもんなんだね。年代の解らない古材は「672年以降に伐採されたもの」のように記されているのだそうだ。初心者まるだしで感動させていただく。

さすが、まほろばの都。いきなり歴史浪漫の世界にどっぷりでした。いいなぁ。

さて、探検に出掛けましょう。ほぼ30分くらいかな。やっぱ屋根裏なのでちょい埃っぽいし、頭は終始気を付けてないとすぐにゴッチン。造作や部材ウォッチ以外にもね、古い厨子が置いてあったり、廃材みたいなのがあったりで面白い。

飛鳥時代の古材を鎌倉時代の材木が補強してる様子とかが目の前に現れてしまうんだよ。これって凄い。ノミの後も見えたりする。しかも、触れてしまう。ゴツンとぶつかってしまうとも云う(笑)。先に禅室で古材についてアドバイスしてくれた人が私たちの担当ガイドさんだったのよ。趣味丸出しな感じで、楽しそうに説明してくれました。

さらに、こうした見学会に慣れてそうな方がいて、適度に突っこみが入ってね、それも面白かったなぁ。3歩歩くと忘れてしまうのが困りものだけど(笑)。

興福寺中金堂

元興寺からぶらぶら歩いて興福寺へやって来ました。ここの中金堂が300年ぶりに復興だそうで、10月20日から一般拝観が始まってました。正倉院展が視野に入ってる事は間違いなかろう。いろいろなショップさんに落慶を祝う小さなのぼりが掲げられてましたね。寄付とか協力のお礼かもしれんけど、ビッグプロジェクトだった感じが伝わってきた。なんか街中でお祝いしてるみたいで、とてもいいなぁと思ったな。

チケット買うだけでも10分くらい並ぶほど大賑わいだった。でもね興福寺名物の鹿さんが見当たらなかったんですよ。盛大に増量した観光客に恐れをなしてたりしてね。どうなんだ?

さて、何も無いとね、どんな物体だったのかしら?と想いを馳せたりするし、有ったら素敵だろうななんて思うんだけど、イザ出来上がってしまうとやっぱ新しさに違和感があってさ、これですか?と思ってしまった。すいません。私には見えない所に技術の総結集があるのでありましょう。トホホのホ。

尚、拝殿内は撮影禁止でございました。重文やら国宝やらの有り難い仏像が並んでおりました。が、急ごしらえっぽく置いてあるだけだったなぁ。これからお部屋を用意したりするんだろうか、どうなんだろう?と思ったものでした。吉祥天だけは厨子に入ってたけど、この厨子の扉は閉まってるのよ。開け忘れたんだったら怒るよ!それとも今日は休みかな?もったいぶってるじゃんと思いましたなり。秘仏とは書いてないので謎。

TV番組に出てきたんだけど、そんなん有ったっけ?どこに有るんだよ?と思ってた三重の塔。今回の散策途中に妹が連れてってくれました。渋いエリアに鎮座していらさるんですなぁ。風情が有るし、お姿が美しいわん!私的奈良の名所が増えましたとさ。

毎度の事だけど長くなってしまった。ゴメン!後編に続く。

11月5日[15,001歩]

※さらなる過去記事
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