最北端の稚内市へやって来た!


宗谷本線・日本最北端の稚内駅・ホームは奥の方ね

さてさて、ドラマはここからスタート!

わぉ!稚内は猛吹雪だ!!しかも町中がどわっと積雪で埋もれている状態。

わぉ!わぉ!すんごいなぁどうしよう・・・。取りあえず観光案内所へ行き「ANA(クラウンプラザホテル稚内)に泊まるんだけど、ここから徒歩で行ける?」と聞いてみた。晴れていれば楽勝で行けるのよ、徒歩2〜3分の筈だし、駅からは建物が見えてるから。

「行けますよ!でも暴風警報が出てるので気を付けてください」と言われてしまった。うむむ、行けるのか、じゃ頑張ろうと踏み出しました。吹雪は落ち着いたり、猛然としたりで波が大きい。キャリーケースを転がしながらの移動である。大変だなぁ、歩道なのか車道なのかどっちよ。さらに、道なのか駐車場なのかも解らない。こっちは駄目か、アッチかな?とウロウロすること30分余。

う〜む、道路脇のこんもりな積雪を攻略できそうもない。ずぼっと踏んごんでしまいそう。歩けん。回り道が解らん。駄目だ、見えていても到底たどり着けないよとギブアップ。緊張しまくりなので写真はない。

ついに老人力を発揮してタクシーにヘルプ。なんと運転手さんは慣れたもんで、アッサリすいすいと運んでくれました。「東京は雪で大変みたいだよね。僕に任せてくれたらバリバリ走るよ〜」とか言っちゃってめっちゃ明るくて頼もしいの!おおザッツ雪国ドライバー!!

さて、まだ事態の深刻さに気づいていない私。朝晩の食事付きのコース(冬場料金でめっちゃ安)にしてて良かったなぁ。探さなくても夕食が食べられるのは有り難いと思い〜の、ホテルの窓からは港が見えて、お船も止まってるしなんかロマンチック!とかね。あら、あれが「稚内港北防波堤ドーム」じゃん。後で行ってみやう・・・とか。

良い時に来ましたね〜!

うむむ、稚内滞在の2日間半ですかね、結局ずっとホテルに缶詰だったのでした。観光どころかお出かけも無理だった。ちゃら〜ん。翌朝の24日だけは、ちょっとマシな天候だったので稚内駅まで徒歩で行ってみたけど、まだショップは開業前だったし、遭難しそうだよと早々に帰ってきちゃいました。でもね、路線バスも観光バスも動いてはいるみたいだったんですよ。頑強であることよ。

その帰りにね、ホテルのお近くで、雪かきをしてるお兄さんがいたので、「凄い雪だね!今年って雪多いの?」と聞いてみた。結局は比較でしょ、前提が解らない愛知県民としてはさ。「多いですよ!良い時に来ましたね〜!」と明るく言われてしまう。ははは、物好きがバレとるつーの。

ずっと窓から防波堤ドームと稚内港の雪かき風景をウォッチングしておりましたとさ。ラプンツェル状態っすよ、まったくね。本は多めに用意してたし(最重要!)、Netflixも見ようと思えば観られる。「どこパレ(ドラクエから派生したゲーム)」もいろいろな対決戦があり緊迫中(笑)。六花亭のチョコレートとビスケットをしっかり持参。地味にサバイバル仕様だったけどね。

だからまぁこんな事もあるねぇとのんびりまったり。でも、楽しみはお食事しかない・・・これって船旅に似てるなぁと思いましたね。閉塞感はないけど、やることもない。

そうそう、自分で受けたのがさ、この時読んでいたのが「雪の夜は小さなホテルで謎解きを」という東京創元文庫のミステリ。題名から想像つくと思うけど、雪で小さなホテルに閉じ込められた人々のお話。私が泊まってるのは地上12階、総客室数143室もあるこのエリアでは大きい方なんじゃないかな?と思うホテルではある。でも、どこへも行けない事に変わりはないのよ。なんとまぁ、宿命と運命が出逢ってるようだよ。なんなんだよ。

一日目はね、翌日天気だったら出かけようという期待もあったし、最終日は旭川に帰る時間を遅らせて観光してから帰ろうかと企んだりも。しかし、どか雪に継ぐどか雪状態。それどころでは有りませんでした。

なんと、24日は宗谷本線も全区間運休やら稚内空港は軒並み欠航やらになってたのですよ。ひょえ〜。「25日に宗谷本線で旭川に戻るんだけど、運休だったら延泊出来る?」と一応聞いてみた。「出来ますよ。でもJRは大丈夫だと思います!」と言い切る。だって今現在は運休してるじゃんと内心思ったけど、JRへの地元の信頼は厚い感じだったから、逆らっちゃいかんと引き下がる。

相当の悪天候でもタクシーはブイブイ走っていました。だから、タクシーで観光ポイントを回ってもらおうと思えば、出来たかもしれん。でもね、それでは自然を冒涜してるように感じたんだよね。そこまでの贅沢はせんでもいいっしょ。夏にまた来よう。稚内フットパスを制覇してやるぞっとぉ。

あと2日くらい延長すれば、寒波は少しおさまったかもしれん。大きな意味で用事はないんだし、こんな時は思い切って滞在を延長したり、方向転換をしたりする場面も有ったかもだ。でも、天気が回復しなかったら?まだ私には、これ以上先行きの見えない滞在をする気持ちの余裕はなかった。新幹線ならともかく飛行機をキャンセルしたり、また予約したりが重荷なんだもん。がんじがらめじゃない筈なのに、やっぱ決めたスケジュール通りの行動をしてしまうんだなぁ。解放されとらんな。

しかし、まさか「稚内港北防波堤ドーム」すらもたどり着けないとはね、ぐっすん。さぁ次へ進むぞ。早めに稚内駅へ向かおう。この時も猛吹雪だったのでタクシーを手配していただきましたとさ。やれやれ。

さぁ戻るぞ!稚内から旭川へ

さて、宗谷本線は動くの?すごい吹雪なのに、誰もなにも心配しとらんかった(みたいだった)。駅員さんは平然と業務中。列車は定刻通りやってきて、しゅわっちと出発。お鉄系と観光客が入り乱れてて、満員ではないけど、それなりに席は埋まりました。昨日の運休は除雪作業に専念してたのかなぁ。猛吹雪なんか敵じゃないといわんばかりだよ。頼もしい!

旭川まで無事に着くのかしら?あまりの吹雪ぶりに仰け反りだったのだ。来る時の天候なんか今思えば楽勝だったなぁと思ったよ。ともかくこの日は「真っ白で何も見えんじゃん」とド素人は思うけど列車はがんがん進む。

でね、臨時停止が2回有った。やっぱ鹿さん待ち、もう1回がね「前の列車が駅に到着していませんので連絡を待ってます」というヤツ。おっと、脱線しちゃって駅に着いてないって事もあるんだろうか?とよぎる。「オリエント急行殺人事件」(笑)。いや、そんな劇的な事は起こらんて。数分で出発した。あと停車駅でもね、ちょっと出発が遅れますと車掌さんに急に話かけられる。激写中の私。「はーい、急いでないしゆっくりやってください」とか言っちゃったような気がする。そういう呑気な場面じゃなかったよね、スマン。

こんな壮絶な景色が次から次へと見られて思い残す事は有りません状態でした。本当に凄かった。街ごと雪に埋まってしまってるようなエリアも有ったよ。もっと驚いたのが、そんな街からでも乗車する人がいたり、降りる人がいたりした事。そりゃ列車なんだし、その為の駅なんだし・・だけど、降りた人の身を思わず案じてしまうような光景だったよ。

乗ってきた人の内で、カメラマンっぽい人がいましたね。ある鉄橋には何人か並んで活写してる光景にも遭遇してたから、冬の宗谷本線は人気なんだね。たまたまその御仁が私の前の席でさ、カメラのお手当に余念がなかったんだけど、落ち着いたらね、バナナを取り出して食べてるようだったの。おお、プロなのか。やるねぇカロリー補給はやっぱバナナっしょ。遭難しそうなエリア突入にはバナナは必須だなと思ったね。まだ行く気かよ(笑)。

どこにも行ってないつーに話が長くてごめん。列車は後半戦、名寄に到着した。いやぁビックリ!名寄はね、青空が見えたのだ。都会なんだね。乗換だったし、列車は通学客で混み混み。ぎゅうぎゅうに詰めて座ってた。だから写真は撮れなかった。名寄を通過するとまたディープな雪景色に。でもね、旭川は大丈夫なんだな、雪に埋まったりはしていないなと楽観できる手応えだったのよ。定刻通り到着しました!

頑張れ宗谷本線


幌延駅で見つけた「頑張れ宗谷本線」のポスター

稚内でホテルに軟禁状態になってしまったのは、モチロン想定外だよ。しかし、私は大満足の宗谷本線の往復旅だった。とても壮絶で過酷な天候だったのに、完璧に運行する鉄道の底力を体感させていただいた。JR北海道というべきか。このポイントは高い!!ともかく感動と感嘆と感涙だった。

列車の旅って、安全な列車内から流れる景色を堪能出来るから好き。ローカル線だと時間をかけてゆっくり楽しめるのも素敵。なので、今回も宗谷本線で往復することこそがメインと思ってた。

でもまぁ雪の時期の最北端て、どんなんよ?とは思ってたけどね。残念だったなぁ。しかし、こんな豪雪の壮絶な時に遭遇し「わ〜い雪景色素敵!!」と言い切っちゃう感動の鉄道旅が出来たのは無事に帰ってきたからこそだ。やった!有難う>JR北海道

さて、旭川〜名寄間はともかくとして名寄〜稚内間は1日に数本しか運航してないんですよ。だからこそ除雪作業もおそらく壮絶。やっぱ経費かかり過ぎてると思うべな。「頑張れ宗谷本線」と私も思うけど現実の厳しさもまた見えてしまった旅だったのでした。

1月24日[3,897歩]1月25日[6,051歩]

※さらなる過去記事
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