鳥取の街角名物書店を探訪す


城崎温泉駅

京都から鳥取へ向かう

京都駅の山陰本線ホームに立つ。やった!ここから日本海に向けて出発だい。特急「はしだて1号(天橋立行)」で福知山まで行き、特急「こうのとり3号(城崎温泉行)」に乗り換えて城崎温泉へ。

特急なのでローカル感が皆無だったけどね。乗換が2回あるので荷物は東横INN鳥取南口へ送っておいた。北海道でのノウハウがここで実を結ぶ!なんてね。

こんな風に書くと、すいすいっぽい。でも本当にこのルートが正しいの?いや、なにが正解かをジャッジする必要もないんだけど、福知山とか城崎温泉とかを目指す理由がないからさ。どうせなら降りて散策する手もあるのか、ないのか。北海道と違い時間帯も調整可能だったから「乗換案内・ジョルダン」を駆使して悩み、そして奮闘しました。そうだ、着いてから考えよう。

城崎温泉に到着。しょぼい雨が降り続いてたので野望は頓挫。城崎温泉つったら志賀直哉の「城の崎にて」だろうけど、何の思い入れもないぞ。そのままホームで普通列車を待ち鳥取へレッツゴーしちゃったのでした。もっと解放されないといかんじゃん、ハイ。

地図上では海沿いの鉄路。だから、日本海がわ〜っと見られるのかと思ったけど、結構トンネルに次ぐトンネルだった。たまに海がちらっと見えるだけ。あらら、そんなもんなんだねぇ。冴えない天気でやや期待はずれの車窓。まぁこれも人生ですよ。ここまで来たなぁ感だけはいっぱい!胸がいっぱい!!

2代目余部(あまるべ)橋梁でしゃろか?違うのかな?なんで列車に乗ってる私に鉄橋が写せるのか良く解ってません。これは道路なのかもだ。

調べてたら途中に「夢千代日記」の舞台になった湯村温泉郷があると知る。一時期、早坂暁の脚本のオッカケをやっててさ、スタート時の「夢千代日記」はちゃんと観てたんですよ。放映は夜中だったと思う、懐かしい。出口がないような温泉街の風情がとても良かったなぁ。お近くなら立ち寄ってみたい気もしたけど、昼間ぶらついても浮きまくらない温泉街なのかどうか解らないので自粛。もう一歩踏み出さないと、この程度の記憶は自分の中で風化してしまうんだなぁと感慨深かった。解放されないとな・・。

鳥取に到着

えええ!大都会じゃんとビックリ。人口は20万人弱だから豊橋の約半分だよ。でもね、県庁所在地だからなんだろうか、とても風格が感じられる、凄い!「すなば珈琲」も有り「スタバ」も有りました。めっきり晴れてきた。嬉しい!!


BRUTUS特別編集「本屋好き」2014年刊(精文館・購入)
POPEYE 9月号 2017刊(定有堂書店・購入)
どっちもマガジンハウスなのでかぶりは多い。定有堂書店は両方に、ちくさ正文館はPOPEYEに載ってます。

さて、昔々私の旅行と云えば大都会。ライブを観に行ったついでにレコード・ハンティングと書店・古書店をめぐる、こんなんばっか。毎回ワクワクしてた。タマにブランド品を物色かな。今ほど宅急便が普及してなかったので、帰りの荷物の重さを考ると頭が痛かったなぁ。これ以上持てないと神保町の郵便局から書籍小包した事もある。ゆうパックは存在してなかった。後でAmazonしよ〜も、モチロン存在してなかった。

鳥取市には行ってみたい書店があり楽しみにしてました。「定有堂書店」です。個性的な本屋さんって実は全国に有るんだけど、やはり東京・大阪・京都・鎌倉あたりに集中してる。需要と供給の原理ですわねん。

存在はBRUTUSのムックで知る。しかし、山陰かぁちと遠いわね・・・。でもだからこそしっかり記憶に刻まれてたとも云える。

私の充実書店ライフ

書店事情ですが、名古屋は「ちくさ正文館」と「ウニタ書店」が輝いてるから私的には余裕です。40年以上前からのお気に入り書店たち。名古屋へ行き、今池(地下鉄)で降りて「ウニタ書店」を物色、「名古屋シネマテーク」で映画を観て、帰りに「ちくさ正文館」へお立ち寄り、千種(地下鉄)から名古屋駅へ。オートパイロットコースだった。今池には「オープンハウス」というブルース好きライブハウスも有ったので、そっちがメインの時も。「オープンハウス」は途中で「名古屋シネマテーク」のすぐ横に引っ越してて「Tokuzo(得三)」として営業してる。ディープな地域なんですの!

つい最近、名古屋在住のライターさんと話をしててね「ちくさ正文館」の話が出たのだった。近年はとんと行ってないので、様子を聞いてみたのよ。「古田さん(名物の書籍係)はまだいらっしゃる?」「健在です。変わりなく続いてます」と。心強いお返事が聞けてめっちゃ嬉しかった。もうね、セレクトがさりげなくて素晴らしいんですよ。毎度惚れ惚れと棚を眺めてました。いや触発されてつい買ってしまうのよ。そんな幸せな瞬間が何度も有ったのだ。ここは、普通の書店としても成立してる、そこが凄いと思ってた。

私の読書ライフの根幹は「ちくさ正文館」と、時々「ウニタ書店」で形成されてます。今では、知ってる本は大抵Amazonで買える(極力地元の「精文館」で購入してるよ!)。でも、知らない本は買えないんだよね。「ちくさ正文館」では、知ってる本のお隣に知らない本がそっと寄り添っている刺激的な光景が展開されてたの。私は青春時代から、ずっと蜜月。当たり前とは思っていなかった。わざわざ名古屋へ行って出合う特別な瞬間で、これが文化だよ。都会には文化があるという感触。名古屋と豊橋は近いような遠いような、それなりに緊張感が持続する距離だったから好都合だった。お財布にも好都合だった。

そうだよ。ずっと続いて欲しいから、頑張って支えないといかん!意識してないとイカン。気合い!!ついでにコレも書いておこう。早々と撤退してしまったけど、覚王山には「松波書店」という素敵な書店もあったんですよ。澁澤龍彦の隣りにブルトンが並んでるような超セレクトショップ。木の香りのするオシャレな書店でした。そう云えば「ヴィレッジヴァンガード」も本店は名古屋の天白区でスタートしたじゃん。まだ天白にあるかな?と検索したら有りましたがな。菊池くんの本屋さんとして「本の雑誌」でも結構取り上げられてたものだ。

「ちくさ正文館」と「ヴィレッジヴァンガード」には先に書いた「ライブ・セレブレーション’94豊橋」のチケットを取り扱っていただいた。快く引き受けていただいて、とても嬉しかった思い出もあります!!

めっきり逸れてしまいましたが、書店ライフは充足してると言いたかったのだ。その上で気になる書店ウォッチングも続けてる感じ。その内に書店総まくりもやってみようかな。もの凄く素敵な書店が有っても行きたい時に行けない距離では、もどかしい。だから敵状視察のような構えで挑んでしまうとも云えるかな。まぁね1回行っただけで、アレコレ書いたりは出来ないよね。書店は日常的な動きこそが大事だから。

やって来ました「定有堂書店」

駅からのんびり歩いてやってきました。あら本当に街角にある。目の届く範囲で展開されてる、コンパクトなセレクトショップかと。多分、本屋さんとしての店主さんの売りたい本が置いてあるのでしょう。工夫いっぱいで解りやすい棚作りでした。同じ本が違うお友達ともグループを作ってるのも多く、アチコチにあるんですよ。管理は大変だろうなぁ。でも、これ結構ライブ感があるかも。

今度このお店にやってくるだろう「○○本」はどの棚に鎮座するだろう?という楽しみ方は出来そう。いや、モチロンそれは知ってる著者の場合であるから、コイツの隣りにいつかどんなヤツがやってくるだろう・・と置き換えるもOK。

こういった書店で楽しいのは雑誌漁り。セレクトされてるから個性バリバリで、雑多なものが無いので見やすく、地域ならではのディープなミニコミを見つけやすい。ハマりも多いんだけど、騙されても本望と思ってるからよく冒険をする。今回も冒険して、技あり1本かな。

さて、意欲的な取り組みを展開したり、文化を発信し続けてても、支える住民というかお客さんがいないと成り立たない。このお店は1980年から続いているそうなので、もう重鎮。「本のビオトープ・音信不通(第二期・第十四号 五版)」という定有堂書店発行の小冊子をいただいてきました。通算何号だろ?

こだわりショップはオープンするパワーも必要だけど、やっぱり続けることこそにさらなるパワーと気概と、そして資金も必要。地域にしっかり根付き、持続してこそ価値があると思う。店主さんも鳥取市民も頑張ってます。やるなぁ。街の底力ってこういう所にあると思いたい。

どんなタイプの書店が生き残れるのか戦乱期の様相に突入して久しいけど、もしかして量販ではなくてセレクトする力こそが生き残れるんだったら、それはとても頼もしい。都会も地域文化社会も頑張れ!!と思っちゃいましたね。どうなんでしょうか?

ご当地牛乳

長くなってしまったんで、恒例の牛乳ウォッチで1回戦は終了するね。山陰と言ったら大山乳業の白バラ牛乳かな。大山乳業協同組合が取り仕切ってる。白バラなんて全然美味しそうじゃないんですけど・・・と初めて見た時は思いました。すいません>命名者さん。でもまぁ名称とお味は別だからなぁと思ってる内に、結構有名になりましたよね。白バラコーヒーは豊橋のコンビニでも売られてたし。

ごちゃっとした背景で恐縮。思いがけないボランティア仕事に追いかけられしまい、この日は観光どころではなかったのだった。早めにチェックインして、ずっと作業をし続けてた。味わう余裕もない感じだった。パックのはコンビニで買えます。他に宅配専用の牛乳も有った。写真取り忘れたよ。それは成分無調整だった。どれも同じくらいの味でした。普通。

9月28日[10,750歩]

※さらなる過去記事
PageTop