そうだ、弥勒菩薩を観に行こう!

仏像にそんなには執着ないんだけど、阿修羅像と弥勒菩薩は観ておきたかった。阿修羅は妹のガイドで興福寺にてご対面済み。残るは弥勒菩薩さんなんですが、ずっと斑鳩の法隆寺にあると思い込んでたのだ。聖徳太子がらみだしさぁ。しかし、始めてTVカメラが入りました!とか言ったりするNHK法隆寺特番でも弥勒のミの字もない。どうなってんの??やっぱ何十年に一度のご開帳とかあるんだよね、生きてる内に回ってくるじゃろか、もしかしたらもうご開帳できないほど痛んでしまった?とか、つらつら思ってたの。そうしたら、妹が弥勒菩薩は法隆寺じゃないよと宣ったのですね。おっと、出ました、そそっかしい私。その気があるならちゃんと調べようね。

もうね、その日の内に太秦にある広隆寺に鎮座していらっさる事が判明。何年に一度とかもったいぶってないで、常設してるのですよ。なんて事なの、素晴らしい!人生の節目、リタイヤしたその足で行くなんて、ちょっとカッコ良くない?行ってみよう!

すわって、素晴らしき秋日和

今回のウィークリーマンションは普通の観光旅行には僻地かもなんだけど、なんとその広隆寺までは徒歩でも行けてしまう距離だったのだ。う、運命??1週間も滞在するんだからそこばっか行くワケじゃないけど、取りあえず目的を見失うことはない。方向音痴でそそっかしい私にはうってつけのロケーションだったのでした。

ぶらぶらと徒歩で広隆寺へお出かけ。う〜んしびれる。途中で太秦映画村の前を通る。おお、ここなのか!交通整理のおっちゃんがいたりして結構テーマパークっぽい。開場前だったからガラガラだけど、ちゃんと人出があるのでしょうか?・・・その後、2・3回通過しました。さすがご近所。しかし、開場前やら閉門後やらで開いてる時にめぐり逢えず、真相は持ち越しね。時代劇に興味はなく、行く気も皆無。話題としてパチリ。

徒歩でやってきました広隆寺

広隆寺はしっとりと落ち着いたお寺でした。ガイドブックにも大抵は紹介がないのです。良く探せば地図にお寺の名前が載ってるくらい。無いものを有るように見せるのに忙しい観光地と違い、京都は名物だらけだからか余裕綽々。お外へのアピールはその名所次第。つまりアピールしたり、秘かにしてたりのコントロールも可能のようだ。しかし、私を含めて年配の参拝客はぽつぽつといらっさいます。

弥勒さまは立派な宝物殿に鎮座していらっさりました。そうそう弥勒さまは小柄なんですが、おっとビックリのような図体のでかい仏像さまが対面に座ってらっさって、手を伸ばせば届くくらいの距離に鎮座してるんですよ。圧倒されたわね。その点、弥勒さまは奥ゆかしい位置にいらっさります。そして、畳敷きのところから拝めるようになってます。近寄れません。しばしうっとり眺めさせていただく。麗しい。とても麗しい。積年の想いを達成できて感慨深かったです。紅葉の季節も素敵だと思うし、春も良いかもと妄想が。また逢いに来よっと!

大魔神前を通過する

そういえば大魔神のいる商店街ってこの辺なんじゃないの?受け狙いで行ってみよう。広隆寺の前には嵐電(京福電気鉄道嵐山本線)がブイブイ走ってるんですよ。こっち側しかないだろなと通りを渡ると、いきなり「大映通り商店街」の街灯に出くわしました。大魔神はどこだろ?と思いつつ商店街を散策。しかし、京都といえども、郊外の商店街は厳しいご時世。御多分に洩れずの様相なり。レトロでもなく混沌でもなく、無理にちょっとディープかもと言っておこう。商店街らしい写真は撮ってない、ごめん。広隆寺前から大魔神までは案外距離が有ったですね。恥ずかしいのでそそくさと大魔神だけを押さえる。思い入れもまったくないし、探究心なくてスマン。

商店街を抜けたら、嵐電の難読駅「帷子の辻」に出ちゃいました。「カタビラノツジ」と読みます。鎖帷子のカタビラかと。そいじゃ、ついでに妙心寺へ行ってしまおう。実は妙心寺も宿泊地から歩いていけてしまうのです。だから、この場合、わざわざ遠回りして嵐電さ乗って詣でるの図となった。方向音痴だけど、この辺だけはしっかり把握出来ちゃってなんか嬉しい。

妙心寺

行きがかりで、嵐電に乗ってたどり着いてしまったけど、特にこのお寺に興味があったわけではない。折角ご近所にあるし、大きそうだから寄っておこうかなとミーハー気分ばりばり。でも行って良かった。ガイドさんがいらっさって、ある程度の人数になると案内してくれるタイプ。お寺めぐり初心者なので、何かと説明してもらうと解りやすい。浴室や鐘楼、天井の雲龍図などについて丁寧に説明していただく。いちいちなるほどねぇと感心しつつ過ごす。まだ初々しいの。

しかし、ここは塔頭が沢山あるし、境内が大変広いんですよ。特に拝観料を払わなくても、散策コースとして存分に楽しめます。平地にあるからか南禅寺ほど起伏がないけどね。お寺さんて凄いよね、お外は電車が走ってたり、結構な交差点だったりしても、境内はひっそりして空気が違うようなんだもん。風情があって信号のないお散歩コースが沢山あっていいなぁと思ってしまいましたよ。

妙心寺・退蔵院

BSでね、結構京都の番宣みたいな番組があるのを知ってますか?本放送は終わってそうだけど。私は「極上の京都」「和菓子で巡る京都の四季」「京・ごはんたべ」という各シリーズを全部チェックしたんです。取材して良いとこ取りする番組ね。選択がグレイトだったので、いくつか録画もしてる。不断の努力だよ。で、「極上の京都」で東大の大学院を出てお坊さんをやってる人が出てきたんですよ。特に外人さんと交流してる様子が印象的だった。その方のいらっさるお寺が妙心寺の塔頭のひとつ「退蔵院」だったのです。おおここかぁ!ってな感じ。物見遊山で行ってみました。

有名な「瓢鮎図」をお持ちのお寺。この禅問答面白くて好きなんですよ。それがね、あっさり縁側に置いてあるから、え!いいのこんな風で?と思ったら、これは模本。原本は京都国立博物館にあるそうだ。そりゃ、そうだよねぇ縁側じゃ雨が降り込んだりして、無防備すぎるもん。そういうレベルじゃないか。案内書によるとジャズのライブをやったりもしてるみたい。ゴンチチもやるみたいだいいなぁ。京都の職人さんとのコラボでお香のお土産を作ったりとか。頑張ってます。

私は伝統を大切にしながら新しい取り組みにトライしてる人たちを秘かに応援しているんですよ。それが脈々と続いているから京都って面白いと、思っているんです。酒蔵を改造してライブハウスにした「拾得」「磔磔」が出来た頃が青春だったから筋金入りなのさ。で、ささやかな応援のつもりでお茶をいただく事にした。そうしたら、薄茶が美味しくてビックリ。丁寧に点てられててエライ。これはラッキーでした。お菓子の味は、すいません覚えてない。ぶらぶらと徒歩で帰宅。[17,228歩]

※さらなる過去記事
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